阿蘇ラウンドトレイル【大会レポ】Part4

スポンサーリンク



WS2高森峠〜AS5清水峠

夜になりそよ風がそよそよそよいでいる。

心地よい風がペースを上げさせてくれる。

日中ロードを歩き倒した分この夜間に追い上げようという作戦だった。

看板を撮影したものの、ここがどこだか全然わかっていない。

とにかく、次のテープを探して進んでいる状態。

正直余裕はなくなってきて、胃の心配が増していた。

しかし、笑顔のまま清水峠までは到着する事ができた。

「スタッフさんからまだ元気ですね!」

と声をかけられたが、内心胃腸に不安を抱えていたので、返事に困った。

案の定ここで補給をしようとしたが、スープも飲めなかった。(川崎さんが作ってくれたのに。)

結局水を飲んで座り込んだ。

「こんなところで座っていても終わらない。」

早く終わりたいから進もう。

進むしかない、まだいける。

AS5清水峠〜AS6アスペクタ

その気持ちを打ち砕くかのように、クッソ長い階段が続く。

(上の方にわずかに光るヘッドライトが見えるだろうか。)

止まらずに、しかしゆっくりと進み続けた。

これは本当に長かった。

横の木の手すりを持ちながら進んだら、そこにイモムシがいて触ってしまった。

「キャッ」と乙女な一面を覗かせてしまったが周りには誰もいなかった。

イモムシと私の秘密だ。

天神峠とは一体何処なんだ。と思いながら進んでいた。

看板をよく見かけたが知ってる地名を見ることはなかった。

ここも、よく分からない。

基本的に私はコースをそれほど調べない。

レースの良いところは調べなくてもマーキングしていてくれるところ。新鮮な気持ちで楽しめるほうが好きだから、調べない。

いや、めんどくさいだけです。

もちろんタイムテーブルは作らないし、目標タイムは初めて参加する大会では持ち合わせていない。

夜の道を淡々と進み、胃腸障害も深刻になってきていた。

しかし、私は知っている。

夜間になると胃が寝ているだけだということを。

朝になれば胃も起きてくる。

それまでは、胃を休ませてあげて自分だけで頑張る時間帯だ。

もはや、胃を擬人化していた。

アスペクタに到着した頃には、もう胃は熟睡中だった。

牛のスープをいただいて少し体を温めたら奥にあった仮眠所で休憩することにした。この仮眠所は案内がなく、誘導もないので意外と知らない選手が多かったみたい。

誰もいなかった。

とりあえず、一人で毛布を借りて仮眠した。

30分ほど横になって起きたら2人くらいの選手が眠っていた。

女子選手もイビキをかいて寝ている。

それだけみんな疲れてるんだ。

すっかり体が冷えてしまったので、もう一度スープを飲んで再スタートを切った。

AS6アスペクタ〜AS7出ノ口

胃が熟睡中のいま、走ることはできない。

平坦な道は走って歩いてを繰り返して何とか体力が持つ様に調整しながら進んだ。

トレイルを登りきった所で椅子を借りて座り込んでしまった。

もうエネルギー切れだ。

そろそろ、胃を起こさないとマズイ。

アスリチューンをあけてうわ水だけススッタ。

飲めたがゼリー状の部分は飲み込めなかった。

ようやく夜が明け始めた。

「マックス!早く起きなさい!」

マックスは寝起きが悪い。

朦朧とする中でストマック=マックスと名付けていた。

出ノ口手前のロードもすべて歩いてようやくエイドにたどり着いた。

あたりは明るくなってきているのにマックスはまだ眠っていた。

エイドで水素水のパックを頂いて水分だけでも補給することにしたが半分ほど飲んで残りはフラスクに入れて出発した。

泣いても笑っても最後の区間だ。

フィニッシュへ

ロードを歩いてトレイルの入り口まできた。

胃はようやく起き始めている。明るくならないと起きない。

一本満足バーを一欠片かじってすごく長い時間もぐもぐしながら歩いた。

それほど急勾配でもない登りもトボトボと力が出ない。

眠気でフラフラしながら進んできたが、今回はエスタロンモカも効果がなかった。

ここで、緊急用に持ってきたガムを噛み始める。

日が昇ってきたことも相待ってすっかり眠気は取れてきた。

しかし、また暑くなっている。

今度は気温か。

最後の登り俵山が立ちふさがる。

長い。先の方まで選手が見えているのがまたキツイ。

もう最後だから一歩ずつゆっくり進んだ。

そしてついに、俵山頂上に到着した。

この頃にはすっかりマックスも起きて体力的には回復していた。

何も食べてないが、朝になれば細胞が起きる様だった。

特に目指すタイムがない私にはバスに間に合えば良いという目標しかなく最後の下りを走る理由はなかった。

完全にガス欠状態の体に鞭打って最後を走る方が怖かった。

まだ、飛行機に乗って、電車を乗り継いで自宅まで帰らないといけない。

無理はしたくない。

マックスは寝ぼけている。

最後の絶景を楽しみながら下った。

すっかり元気を取り戻していたが、走ろうとは思わなかった。

それだけ、内容の濃いレースだった。昨日の事もだいぶ前のようで、思い出に浸りながら下っていく。

アナウンスのお姉さんの呼びかけも聞こえている。

手を振って答える余裕もあったが、ゴール直前まで走る気にはなれなかった。

この25時間を噛み締めながら、最後を迎えた。

諦めずに一歩ずつ進んでいれば必ずゴールが迎えてくれる。

たとえ、マックスが熟睡しようとも気持ちさえ折れなければ必ず完走できる。

諦めない気持ち、自分の体との会話、経験、非常に奥の深いウルトラトレイルの魅力がここにはあった。

阿蘇という雄大な自然の中で今回もまた違う世界を堪能できた。

そしてまたいつもの日常が今日も始まる。

さあ今日も頑張ろう!

膝の神『ひざ小僧』1日1ポチ

にほんブログ村 その他スポーツブログ トレイルランニングへ

facebook   プロフィール

ゴール後マックスは上機嫌となり、イチゴソフトクリーム、フランクフルトを食べ、空港に移動後にはいきなりステーキでヒレ300gとカレー屋でカツカレーをたいらげましたとさ。

おしまい。笑

スポンサーリンク



2 件のコメント

  • 夜間は胃腸が寝ている。。そう思うメンタル大事ですね❗️勉強になりました
    前半のロード歩いてても早いですね
    エイド滞在時間が結構短めなんでしょうか

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です