ランリーマン第7話

スポンサーリンク



五箇山トレイル

初めてのトレイルラン。

装備も分からないまま、必須装備品だけ準備してハイドレーションに水を入れてスタートラインに立った。

ゴールしたらそのまま名古屋入りである。

妻は引越しをしている。

私は山を走っている。

ゆっくりしてられるはずがない。

急いで帰らないといけない。

しかし、妻は同僚との最後の思い出と笑顔で見送ってくれた。

スタート

ブリーフィングで「トレラン始めての人?」と言う問いに6割くらいの人が手を挙げた。

そして、ついにスタートの時が来た。

「3、2、1、スタート〜!!!!」

20kmのレースに17Lのザックを背負っている。

大は小を兼ねる理論はトレイルランには通用しない。

トレランの『温存』なんて言葉は知らない。

とにかく突っ込んだ。

ブリーフィングでは、『この大会を完走できたらどこでも行けますよ〜。」なんて言っていた。

決してそんな事はない。

下り基調な楽な大会だ。

しかし、スタート直後の葛折りの登りで早速ふくらはぎが死んだ。

息も絶え絶えで登ってくが、前についていけない。

とにかく頑張って登っていたが、「後ろから譲ってくださーい」との声が聞こえた。

そう、初めてのトレイルラン。

マナーを知らなかった。

前について行けず、渋滞を作ってしまいそうなら後ろに道を譲るのが当然だ。

それを聞いてからは、先に行ってもらった。

ロードレースとは違うマナーが必要だ。

アップダウンを繰り返すと10kmの看板があった。

「えっ!まだ10km!?」

トレランあるあるである。

ロードとは比べ物にならない程、距離が進まない。

10kmのエイドで豚汁を頂いたり、飲み物を補給した。

初めてのトレイルランで初めての幸せだった。

塩分が体に染み渡る感覚をはっきりと感じることが出来た。

そして、限界だった体がまた動き出す。

「トレランめっちゃ深い!」

「おもしろい!!」

そこから、登り返す。

Kさんには登りで置いていかれた。

足が限界でついて行けない。

もう大きな登りはなく、あとは下るだけだ。

自分では気付いてないが、下りは得意だった。

次々と抜いて転がり落ちるように下っていった。

Kさんにも下り切ったところで追いついた。

あとはロードを少し行けばゴールだ。

しかし、その時だった。

「なーーーーーーーー!!!!!」

ふくらはぎが痙攣している。

タイツの下で抑え込もうとするタイツと痙攣するふくらはぎがせめぎ合う。

ピーンとなったまま動けず、

「Kさん!先行って下さい!」

下りの代償は大きかった。

【1トンは『温存』を覚えた。】

走ろうとすると攣るを繰り返す。

歩いてゴール前まで到着した。

ゴール手前ではすでにゴールした選手や応援の方が声援を送ってくれる。

本気で泣きそうだ。

これが、トレイルランか。

「最高やんか。」

20kmなのに感動が止まらない。

ロング30kmの選手を尊敬したし、考えられなかった。

Kさんは待っていてくれた。

手を繋いで一緒にゴールテープを切った。

もう足が動かない。座ったパイプ椅子から立つ事が出来なかったが、しばらくすると回復した。

靴を洗って名古屋に向けて車を走らせた。

名古屋の新居に到着して、ドキドキしながら扉を開ける。

「おかえりー!!!」

初めてのトレイルランは最高の思い出になった。

膝の神『ひざ小僧』1日1ポチ

にほんブログ村 その他スポーツブログ トレイルランニングへ

facebook   プロフィール

スポンサーリンク



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

年式:1984年製 寸法:180cm 重量:67kg 足長:28.5cm 燃料:固形専用 生産地:京都府 前職:潜水士 現職:MR